お客様や消費者にとって、
大きな付加価値になるように。
2011年にトップスの子会社として設立されたヴェルテクス川口工場。
設立当初から商品の検品、出荷、アセンブリなどの流通加工をメインに行う会社です。食品、化粧品、医薬部外品なども扱う、ヴェルテクスならでは徹底した衛生管理と今後の展望について。
ミッションは「商品の付加価値を高める」
主な事業内容を教えてください。
ヴェルテクスは、主に荷物の検品や出荷など「流通加工」を行う会社です。
商品を袋詰めしたり、化粧箱に入れてダンボールに梱包したりする「アセンブリ」という業務も行います。これは、わかりやすくいうと「商品の二次加工」です。すでに完成している商品を丁寧に梱包して、流通商品の価値を高める仕事です。
たとえばティッシュや食用油、ハンカチや缶バッチなど、本当に様々な商品を扱っています。
その中でも、製造許可が必要な化粧品や医薬部外品を扱えるという点が、ヴェルテクスの強みでもあります。
トップスとの関わりについて
基本的には、トップスから依頼を受けて業務を行います。
トップスの商品は海外の製造がほとんどなので、船で運ばれてくるコンテナの荷下ろしと、指定された納品先への出荷、商品の検品作業での関わりがメインです。
トップスの場合もトートバッグやフィギュアなど、様々なジャンルの商品があります。
そこで、検品を行う場合は1つ1つ箱を開けて、実際に人の目で確認して手作業で仕分けていくのですよ。
会社設立当時から現在に至るまでは?
もちろん設立したばかりの頃は、ヴェルテクスという会社が全く知られていませんでした。
ですので、最初は同業の方からお仕事を分けて頂くとこからスタートしたのです。
そこから、トップスの各担当者からの繋がりもあって、少しずつ他のお客様にもヴェルテクスの存在を知って頂く機会が増えて……今の規模で事業を行えるようになりました。
現在はトップス以外からのご依頼も増えていて、大手印刷会社や大小合わせて十数社様とのお取引があります。
徹底に徹底を重ねた衛生管理
衛生管理をする上で気をつけていることは?
とにかく異物混入対策は徹底しています。
作業する場所を「クリーンルーム」として、入り口に粘着テープを設置したり、虫が入り込まないように二重シャッターにしたり、設備投資にも力を入れています。
作業終了後は必ずモップがけをして、ゴミ箱のゴミも全てまとめてその日のうちに処分します。
資材が入ってきたダンボールもきちんと処理しますし、作業台のアルコール除菌も毎日必ず行います。
あとは、蛍光灯の傘からホコリが落ちてくることもあるので、そのあたりも定期的に清掃しますね。
最近は消費者の目も肥えてきているので、本当にちょっとした異物混入でもすぐにSNSで広まったりします。
かといって、海外の製造現場のレベルが急に上がるわけでもないので、商品を販売する各メーカーさんもかなり神経質になると思うのですよね。
双方の意識の差というか、完成度のギャップを可能な限り埋められるように細心の注意を払い心がけています。
たとえば、検品中にどんな異物が見つかりますか?
検品作業の中で多いのは、やはり髪の毛やダンボール片などです。あとは、商品を運ぶ際に入り込んだ虫も見つかったりします。
稀な例ですが、カッターの刃が混入していたことも過去にはありましたね。
ヴェルテクスでは食品の二次加工、化粧品、医薬部外品も扱っているので、「髪の毛」「虫」「血痕」の3つは絶対にNGなのですよ。ですので、その点は本当に徹底した管理を努めています。
検品作業で見つかった異物に関しては、お客様に実際の画像と合わせてメールでお伝えしています。
この仕事は信頼関係が大事なので、どんなに些細なものでも依頼主のお客様に対する報告と確認は欠かさないようにしています。
衛生管理以外で気をつけていることは?
現在、約30名の作業員で業務を行っているので、チームワークも重要ですね。
作業工程によっては負担もそれぞれ違ってきますし、1人に負担が集中しないようにローテーションして調整したりします。
一人ひとりのモチベーションが作業効率にも影響しますから、ミスをしてしまった時のアフターケアや指導の仕方などにも気をつけるように心がけていますね。今いる作業員のほとんどが女性なので、男性の僕がその辺をうまくできているか不安はありますが……できるだけ気にかけるように頑張っています(笑)
また、作業工程によっては「このやり方の方がいいのでは?」というケースも出てきます。
膨大な量の商品を扱っているので、少しやり方を変えるだけでトータルの生産数に大きく差が出たりするのですよ。
そういう時は、作業員の意見にもきちんと耳を傾けつつ、やり方を変えることでのメリットとリスクを考えた上で、意見を採用するかどうかを検討します。
限られた時間の中で効率よく作業を進めるためにも、とにかく「早い判断」を意識しています。
お客様の「ありがとう」が喜びに
どんな時にやりがいや喜びを感じますか?
お客様によって、検品やアセンブリなど作業内容は異なります。
中には、かなり短納期であったり、厳しいスケジュールで作業しなければならない時もあるのですよね。納期に間に合わせられるように、作業員が力を合わせて頑張ってくれた時は本当に嬉しいですし、感謝の気持ちでいっぱいです。
納品前の商品に異物を発見して取り除くことができた時も達成感がありますよ。
コツコツ地道な作業が多いですが、実際に納品した後にお客様から「ありがとう」とか「助かりました」という言葉を頂けると、ものすごくやりがいを感じますね。
仕事の中で苦労する点は?
急に入ってきた案件だと、かなり短納期なケースが多いので、まさに「時間との勝負」なのですよね。
ただ、時間がないからといって手を抜いて作業するわけにはいかないのです。それで異物混入が発覚すると、2度と依頼が来なくなってしまいかねないですから。
限られた時間の中で、業務の「効率」と「質」のバランスを考えてやりくりするのが、1番苦労する点です。
事前にお客様と打ち合わせした「検品箇所」以外にも欠陥や不良が見つかってしまった場合ですね。
ご報告のうえ、それも追加の項目に入れてしまうと、納品個数が足りなくなってしまうこともあるのです。そういう時は、検品項目を見直して新たな基準で作業してもらったり、場合によっては急遽、現場立会のもとお客様に相談・確認したりすることもあります。
短いスパンで予想外の事態が起こってしまうと、より迅速な判断を迫られることが多いです。
「流通加工」自体に付加価値を
ヴェルテクスとしての今後の展望について。
今後もトップスとの繋がりを強めつつ、幅広いお客様から信頼される企業にしたいですね。
食品、化粧品、医薬部外品など、他ではなかなか扱えない商品を扱える強みをもっと活かしていきたいです。
また、場内の設備や環境、作業員の服装なども全て含めて、営業に繋がると思っているので、
お客様が信頼して業務を任せられるように、そういう点はしっかり継続して取り組んでいきます。
いずれは「ヴェルテクスでの流通加工」が商品のセールスポイントの一部になり、お客様や消費者にとって大きな付加価値になるように、今後も邁進していきたいです。